50代に突入し、これまでと違った体の不調を感じる人も多いのではないでしょうか。
特に多く見られるのが「腰痛」です。
腰痛にも、加齢が原因の場合や病気が原因の場合によるものなど様々です。
今回は、50代の腰痛から考えられる病気やリスク、腰痛の解消法をご紹介していきます。
50代の腰痛から考えられる病気
内臓疾患
姿勢や骨が原因で痛みを発症すると思いがちな腰痛ですが、実は、内臓疾患による腰痛もあります。
尿管に石が詰まってしまう男性に多く見られる症状の「尿路結石」や、女性に多く見られる細菌感染による「腎盂(じんう)肝炎」、そして「急性胃炎」「急性膵炎」「大動脈解離」「腹部大動脈癌」など、さまざまな病気からも腰痛が引き起こります。
腰椎椎間板ヘルニア
長時間の座りっぱなしなど、腰に大きな負担がかかって起こってしまう腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎部分の椎体と椎体の間に存在している椎間板から髄核が飛び出し、神経を圧迫することで痛みや痺れを発症します。
腰椎椎間板ヘルニアは、発症すると腰だけではなく、足にかけて強い痛みや痺れを感じることがあります。
場合によっては手術の必要性がある場合もあります。
腰部脊柱管狭窄症
脊椎の中にある脊柱管が狭くなり、脊柱管の中にある神経が圧迫され、足のしびれや痛み、腰から足の裏にかけて痛むといった症状が現れます。
また、朝晩の冷え込む時間帯や寒い季節に痛みや痺れが強くなるというケースもあります。
脊椎は加齢とともに老化し、40代50代の特に女性に多く見られる症状です。
変形性脊椎症
20代や30代の頃に激しいスポーツをしていた人は、腰椎を支える筋肉が緊張する傾向が非常に強いです。
この症状は40代50代で多く見られ、特徴として動き始めに比較的強い痛みを感じますが、体を動かし続けているとその痛みが軽減してきます。
椎間関節の老化や、本来ならば綺麗に積み重なっている脊椎が、部分的にずれてしまい神経を圧迫するなどして痛みを起こします。
病気以外の腰痛の原因
更年期障害
女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、骨を形成する働きや脊椎と脊椎の間にあり、クッションの役割をしている椎間板の水分を保持する働きもあります。
しかし閉経をしている更年期世代になるとエストロゲンの分泌が減少し、骨が脆くなり椎間板も変形してしまうため腰を始め関節が痛むといった症状が現れやすくなります。
筋肉の減少
正しい姿勢を続けるには、腹筋や背筋が必要不可欠です。
しかし行動範囲が狭くなり筋肉が減少する傾向にある50代は、正しい姿勢でいるための筋肉が十分ではないため、姿勢が悪くなってしまいます。
自分が楽な姿勢ばかりをしてしまうことで腰に負荷がかかり腰痛を引き起こします。
腰痛のリスクを減らす方法
正しい姿勢で座る
腰痛は立っている時より座っている時の方がリスクが高まります。
自分がラクな姿勢で座り続けると、腰への負担が大きくなり、やがて腰痛を発症しやすくなります。
〈椅子の正しい座り方〉
①いつも通りに座る。
②両腕を上げて万歳の格好をする。
③万歳をした時の姿勢を腕を下げた後でも継続をする。
これが椅子に座っている時の正しい姿勢です。
〈床の正しい座り方〉
①床にあぐらをかく。あぐらが辛い場合は片足だけあぐらをかくか開脚をします。
② 両腕を上げて万歳の格好をする。
③万歳をした時の姿勢を腕を下げた後でも継続をする。
床に座る場合は、床の上に骨盤を立てておくイメージで行います。
正しい座り方をするのに回数に決まりはないので、座るたびにこの座り方を意識するようにしましょう。
ストレッチをする
腰に強い痛みがある場合はオススメはしませんが、日頃からストレッチをすることで腰痛の悪化を防ぐことが期待でします。
①仰向けに寝て股関節と膝を90度に曲げる。
②曲げた足を反対側の足の上を超えてクロスさせる。
③クロスした足ではない方の手で膝を軽くしたに抑える。
④30秒キープする。
このストレッチを反対側も行います。
1日にセット行いましょう。
腰の筋肉の緊張をほぐす
腰回りの筋肉が緊張すると腰痛の原因になります。
腰に張りを感じたら筋肉の緊張をほぐしてあげましょう。
①仰向けになり片方の足を胸に近づけるように曲げ、両手で抱える。
②5秒キープして足を戻す。
この動作を両足各10回を目安に行いましょう。
腰痛が悪化するとどうなる?
脊椎圧迫骨折のリスクが高まる
20代30代の頃と比較すると骨が脆くなっている50代は、くしゃみや転倒、しりもちをしただけでも脊椎が潰れやすくなっています。
脊椎が骨折してしまったときには強い痛みを感じますが、そのまま放置してしまうと変な形になって固まってしまったり、そもそも骨自体が脆くなっていると、骨折してしまった骨が固まらないこともあります。
そのため、いつまで経っても腰から足にかけてのしびれや痛みが残ってしまいます。
歩行困難になる
クッションの役割をしている椎間板が減少すると、動作のたびに骨と骨が擦れ合い強い痛みを感じます。
またこの椎間板が変形して潰れてしまうと、椎間板の一部が飛び出し神経を圧迫するので、その痛みから逃れようと歩くことを避けてしまったり、他の場所に負担をかけてしまうこともあります。
50代は筋肉や体力の衰えが始まっている年代でもあるため、歩くことを避けるようになってしまうと筋肉や体力が激減し、やがて歩くことが困難になってしまう可能性があります。
うつ病の可能性が高ま
痛みが続くことで不眠になったり、不安が増え、精神的なストレスになってうつ病を発症してしまう可能性があります。
腰痛は、腰部の痛みだけではなく足にも痛みや痺れを発症し、自分の思う通りに動くことができないなど至る所に影響をしてきます。
また50代は健康に不安を抱える時期や更年期障害を発症する時期でもあるので、これらがプラスして精神的ストレスに加算されてしまいます。
腰痛のセルフチェック
・何もしていなくても腰が痛む(危険大)
・50歳を過ぎてから背中が急に曲がってきた(危険)
・腰だけではなく足に痺れや痛みがあり歩行が困難(要注意)
・動作をした時のみ腰が痛む(危険なし)
あくまで目安ですが痛みが継続したり波がある場合や不安な場合は病院を受診することをおすすめします。
まとめ
50代の腰痛は、病気から起こっている可能性があり、内臓疾患や腰に負担がかかることが原因で起こる腰椎椎間板ヘルニア、そして神経が圧迫されることで起こる腰部脊柱管狭窄症や筋肉が緊張することで起こる変形性脊椎症が考えられます。
病気以外で引き起こる腰痛は、エストロゲンが減少する更年期障害や筋肉の減少によるもが原因で発症します。
腰痛のリスクを減らすためには、椅子や床に座った時に万歳をして骨盤を立たせ、その状態をキープし、正しい姿勢を意識します。
ストレッチは、仰向けに寝て股関節と膝を90度に曲げ、曲げた足を反対側の足の上を超えてクロスさせ手で膝を軽くしたに抑え30秒キープする動作を1日に5セット行いましょう。
腰の筋肉の緊張からくる腰痛の場合は、仰向けになり片方の足を胸に近づけるように曲げ、両手で抱え5秒キープして足を戻す動作を両足各10回を目安に行いましょう。
腰痛が悪化するとくしゃみや店頭やしりもちをついた時に骨折しやすくなり、脊椎圧迫骨折のリスクが高まります。
また、クッションの役割をしている椎間板が減少すると、動作のたびに骨と骨が擦れ合い強い痛みを感じ、避けるように歩くことをしないと筋力や体力がみるみる低下し、歩行困難になってしまう恐れがあります。
また、痛みが続くことで不眠になったり、不安が増え、精神的なストレスになってうつ病を発症してしまう可能性があります。
何もしていなくても腰が痛むか、50歳を過ぎてから背中が急に曲がってきた、腰だけではなく足に痺れや痛みがあり歩行が困難
、それとも動作をした時のみ腰が痛むのか、自分の腰痛の状態を把握し、病院を受診するか判断しましょう。
腰痛だからと軽視せずに、整形外科に相談をしたり整体でマッサージを受診するなどし、腰痛に悩まされない生活を目指してみてはいかがでしょうか。